心理的安全性にはどんな効果があるのか

こんにちは。代表の渕脇です。

これからは、労働人口が減少していく時代。
変化が早く、柔軟な変化が求められ時代。
このような時代には、チームや企業の心理的安全性が必須になります。

心理的安全性の効果

では、心理的安全性にはいったいどのような効果があるのでしょうか。
石井遼介氏の著書、「心理的安全性のつくりかた」の中に、次のような一説があります。

Googleの研究でも、心理的に安全なチームのパフォーマンスと創造性が向上すること、メンバーの離職率が低く、収益性が高く、多様なアイディアを効率的に活用することができるとしています。

チームのパフォーマンスと創造性が向上することは、多くの企業が望んでいる理想的な姿ではないでしょうか。

また、労働人口が減少し、人材の確保が難しい時代においては、離職率が下がるというのは、とても重要なことだと思います。

心理的安全性が無い職場とは

では、反対に、心理的安全性が無い職場というのは、どういうものなのでしょうか。

それは、「対人関係のリスク」がある職場です。
対人関係のリスクとは「良かれと思って行動しても、罰を受けるかもしれない」リスクのことです。

心理的安全性という言葉を提唱した、ハーバード大学のエドモンドソン教授は、大きく分けて四つのリスクに分類しています。

「無知」だと思われたくない → 必要なことでも質問をせず、相談をしない
「無能」だと思われたくない → ミスを隠したり、自分の考えを言わない
「邪魔」だと思われたくない → 必要でも助けを求めず、不十分な仕事でも妥協する
「否定的」だと思われたくない → 是々非々で議論をせず、率直に意見を言わない

下手に行動すると、罰を受けるかもしれないのですから、余計なことはしないようにしようという行動基準ができてしまいます。

これによって、情報の共有ができない、失敗を恐れてチャレンジできない、アイディアがあってもそれをチームのものにできない、などということが起こってしまいます。

また、このような状態であれば、仕事に対してやりがいを感じられなかったり、職場にストレスを感じてメンタルを病んでしまうなどのリスクも出てきます。

いくらリーダーが「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」をしろと叫んだところで、このようなリスクのある職場では、報告が遅くなりますし、隠ぺいなどが起こる可能性もあります。

また、指示されたこと以外の余計なことはなるべくしない方が良いので、指示待ち人間が多くなります。

ちなみに、もともとホウレンソウは、部下が上司に行うべき行動規範ではなくて、組織が「ホウレンソウ」を行いやすい空気を作ることが大切である、という主張の元に出てきた言葉です。

ほとんどの人が知らない「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」の本当の意味

従業員は余計なエネルギーを使っている

心理的安全性の無い職場で働いている人たちは、余計なエネルギーを使っています。
それは、対人関係のリスクを回避するためのエネルギーです。

このエネルギーは、企業にとって全くプラスにならない、むしろマイナス方向へ向かうエネルギーだと言ってよいでしょう。

このエネルギーをプラス方向へ向けることができるのが「心理的安全性」なのです。

まとめ

対人関係のリスクを無くし、心理的安全性を確保することは、これからの企業経営にとって、とても重要な問題です。

気になる方は、ぜひ、こちらの本を参考にしてみてください。

【掲載の写真】UnsplashJason Goodmanが撮影した写真